報告:全国水源の里シンポジウム

2019年11月11日

地元出身ということで、香川県で開催された「第13回全国水源の里シンポジウム」のパネラーとして登壇させていただきました。

ホストは、香川県まんのう町とお隣の琴平町。

まんのう町には、弘法大師が修復したことで有名な日本一の貯水量を誇る「まんのう池」があります。

※周囲は約20㎞。与論島よりちょっと大きめです。

シンポジウムには、総務省、国土交通省、農林水産省はじめ、全国の水源の自治体から約250名が出席しました。

今回のテーマは「関係人口」。

基調講演は、鉄道オタクで、仏像好きで、島根を拠点に活躍するローカルジャーナリスト田中輝美さん。

講演のなかで、印象に残ったのは、過疎地の一番の課題は「諦めの払拭」であるということ。

”関係人口”が、「諦めの払拭」につながることを事例でわかりやすく説明くださいました。

また、ふるさと難民の若者にとっては、「地域の課題≒役割がある」「しがらみ≒つながりがある」が魅力資源、その資源を求めて若者が地方に向かう時代になったという話を実体験から紹介されました。

そういえば、奄美にきた学生から、「奄美で就職したいんです」、「奄美で結婚したいんです」と相談を受けることもしばしば。

時代の変化をしみじみ実感です。

水源をもつ自治体の多くは、奄美よりもずっとずっと過疎化が進んでいる地域。

奄美よりももっと深刻な空き家問題。

夜の懇親会では空き家談義となりました。

 

でも、かなりエネルギッシュな行政マンや議員の方ばかり。

あらためて気合いが入ったし、ふるさと発見の良い機会となりました。

 

そして翌日は、エクスカーション。

まんのう町の先進的な取り組みを視察しました。

場所は、徳島県との県境にある「ことなみ地区」

標高600~800mにあるので、(阿蘇と同じくらいですね)。高原キャベツの生産が盛んで、キャベツ御殿なるものも建っているとのこと。

知りませんでした・・・。灯台下暗しです。

視察場所は、旧琴南中学校。

最後は生徒6人だったと言います。

いまは、Uターンした芸術家夫妻を中心に「やまなみ芸術祭」というネーミングで、様々な芸術作品が展示された小さな美術館となっていました。

美しい山並みを見せるために、柱を減らした中校舎建築。
3町合併で廃校になった琴南中学校。
地元こども園の園児が作った段ボールのプラネタリウム

そして、もうひとつ驚いたのが、「ことなみ未来会議」という民間組織。

今年で3年目。NPOと同い年です。

立ち上げこそ町が かかわりサポートしたものの、あとは、徳島大学大学院の田口准教授と住民だけで組織化し、活動しているというのです。
※町は、活動する各部会にスタートアップのために3年間、50万円/年を助成。

そのなかのひとつ、「高齢者部会」では、お弁当屋さんが、高齢者向け見守りサービス付きの宅配弁当の拠点になってました。いまでは、歯科医院への送迎なども行っているそうです。

高齢者向けのお弁当。お味噌汁付き。毎日楽しみなほどカラフル。

つながりのできた自治体のみなさまと今後も課題や悩みを共有して、NPOも新たな空き家活用のアイデアを見つけて、実践していきたいと思います。