土地を買う前に地目や土地利用規制を要チェック

2020年5月6日

ずっとこの先も奄美に住み続けたいと空き家を探していた生まれも育ちも奄美のRさんの話。

家は1年ほど探し続けていますが希望の家はなかなか見つからず、土地探しも始めました。

先日、土地を売りたい人が見つかり、Nさんは地主との交渉をスタート。

耕作放棄地のその土地は何年も放置されてきたのでヤブ化しているものの、場所も広さも理想の土地。

ヤブの伐採処理費は150坪で30万円程度。水道敷設は水道本管が近くまで引かれているので60万円程度。建物が建つ場所の地盤改良が必要そうということも調べ、おおよその費用も把握し、住まいの確保が現実的になってきました。

しかし、希望が見えてきたのも束の間。

家が立ち並ぶ区画が目の前にありますが、道路を隔てたその土地の地目は「畑」。
※地目は、市町村役場の土地台帳(情報が古い場合があります)や法務局(1件600円)で誰でも調べることができます。

しかも、町に問い合わせたところ、農業振興地域に指定されたていることがわかりました。
※農業振興地域とは、国の農業振興地域の整備に関する法律のもとに、 今後相当期間(おおむね10年以上)にわたって農業振興を図るべき地域として市町村が設定している地域です。農用地区域(青地)とその指定を受けない区域(白地)に分かれ、農用地区域は、農地の中でも生産性の高い農地で、宅地転用して家を建てるなど、農用地以外への転用がかなり難しい地域です。

これから、地主や不動産会社、町に相談しながら農地の宅地転用を進められるか協議していくそうです。

見渡せば空き家も空き地もいたるところにあって、売りたい人も買いたい人もいるのに、こうした規制との格闘が必要になることもあります。

これまで家が建っていなかった土地を見つけたら、まずは、地目や規制(※)を調べましょう。手続きの手戻りが減りますよ。

(※)主な土地利用規制
・農業振興地域
・都市計画地域
・自然公園地域
・森林地域
・自然保全地域