本場奄美大島紬職人体験ツアー 泥染め、加工、織り

2020年2月23日

2020年2月22日~24日、本場奄美大島紬の産地、鹿児島県奄美大島で本場奄美大島紬職人体験ツアーが開催されました。

2日目午後は、泥染公園で泥染めを見学し、織元のひとつ都成織物で加工と織りの作業を見学しました。

中央に白い花が咲いている木がシャリンバイ

泥染は、奄美大島だけに伝わる独特の染色技法。

自生するテーチ木(シャリンバイ)をチップにして大きな窯で煮出して発酵させ、その茶褐色になった煮汁で染めていきます。

テーチ木で染めては乾燥させる、という作業を30回ほど繰り返して、ようやく次の工程「泥染(どろぞめ)」です。

一度に360キロほどのテーチ木のチップを煮出します

テーチ木で染めた絹糸を泥田に入れ、渋い黒に染めあげます。

テーチ木に含まれるタンニン酸と泥田に含まれる鉄分が化学反応し、化学染料ではつくれない黒を出していくのです。この作業を、約4回繰り返します。

テーチ木染め約30回に泥染め1回を約4回(合計120回前後)の作業って・・・。

ここでは、大島紬の製造工程に職人不足以外にも、林業従事者の不足などからテーチ木(シャリンバイ)の確保が難しくなっている現実も知りることになりました。

泥田の生き物たちも観察した一行は、織元のひとつ都成織物(となりおりもの)へ向かいます。ここでは、加工と織り、そして商売の話も聞くことができました。

加工とは、織りを行うための糸を加工すること。「染色」という色を染めこむ作業から、絣(かすり)の締められた糸をほどく「目破り」、分けた糸を板に巻きつける「板巻」…が主な作業です。

DNAの配列みたいな染色用の設計書に沿って、染料を糸にこすりつけます。

加工についての詳細はこちら

千枚通しで、締めた綿糸をほどく「目破り」ほどいた箇所を染色します
染色作業
DNAの配列みたいな染色用の設計書
「ばら破り」締めた筵の糸をすべてほどく作業 順番があるようですが絡まっているようにしか見えない・・・

さて、縦糸と横糸の準備が整い、ようやく「織り」の工程です。

しかしここにも難関が待ち受けています。

まずは、織る前に「たてつけ」といって経糸(たていと)を織機に通します。糸の本数は、一般的なもので1,240本。雑念をシャットアウトして集中しても、ベテランで半日がかりの作業。気が遠くなる・・・。

経糸に含まれる絣糸の割合でマルキ数(柄の細かさ)が決められます

北海道から移住して40数年目を迎える田村さんの指導の下、織り体験もさせていただきました。

織るのも一筋縄ではいきません
「絣合わせ」といって経糸を1本1本調節して柄を整えます

織物の醍醐味「織り」の工程まで、本当に多くの工程と技が凝縮されていることに気づかされた参加者は、ちょっと休憩して、夜の先輩移住職人との交流会に備えます。

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NPO法人ねりやかなやレジデンス
メール:info@npo-nr.org
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