私たちは、NPO設立以前の2013年頃から奄美の島々の空き家をたくさん見てきました。そして、何とか活用できないかを考えてきました。
しかし、大きな壁にぶち当たることも多く、その一つの原因が、空き家の状態が悪すぎることでした。
築年数30年以上、空き家期間10年以上の物件が過半を占め、雨漏りによる腐食やシロアリの被害も大きく、住めるようにするには改修費用が掛かり過ぎるケースが多いのです。(平成30年度龍郷町調べ)
規格住宅をつくるぞ!
全ての空き家を再生することはできないし、高い修繕/改修費を使ってまで住める家に再生することに疑問を持ち始めた私たちは、修繕/改修費程度で建てられる「規格住宅」を考え始めました。
奄美群島の家は、昔は集落の人たちが協力して建て、プロの大工が活躍するようになってからも注文建築が常識です。
本土では一般的な建売住宅や規格住宅は少ないのが現状です。
シングル・カップル向けからスタート!
奄美群島の家の多くは、もともと大家族が暮らし、多くの人を招きいれるため、広く、部屋数も5部屋、6部屋あるのは当たり前。
一方、奄美群島に住みたい人たちは、シングルやカップルの若い世代が多いですが、この人たちに適した家はほとんどありません。
子どもや就労世代の人口獲得を目的としてファミリー層に定住支援住宅等の公営住宅を準備している自治体は多いものの、ファミリー以外の人たちにはほとんど支援策がありません。
私たちは、規格住宅のモデルハウス建築と言う無謀なプロジェクトを開始しましたが、不動産建築に対する助成はないに等しいので、全額借入で建設することを選択しました。おのずと予算に限界があります。 「予算がないということは建築面積も狭い。ならば、供給量の少ないシングルやカップルの人向けの家を作ろう!」こうして、コンパクトな規格住宅のコンセプトが固まりました。
・建設コストは設計込で800万円程度
・同じ仕様なら、同じ建設コストで建設できる
・コンパクトだからと言って、暮らしにくい家にはしない
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この無理なお願いに付き合ってくれたのが、
設計・監理担当:株式会社酒井建築事務所
施工担当:有限会社アオイ・ホーム
度重なる打ち合わせを経て、2019年10月に無事竣工いたしました!
建設工事費は800万円(税込)※地盤調査費、地盤改良工事、浄化槽設置工事、造成・外構工事、各種引き込み工事、家具家電は含んでいません。 |
(写真:石井紀久)
こんな空間に暮らしたいけど、長く暮らせるものかな?
そんなみなさまのために、お試し暮らしできるモデルハウス「match guest house」(奄美大島龍郷町龍郷)をご用意しました。
是非一度、滞在してみませんか?
お待ちしています。